私たちの家づくり prologue

30代も過ぎ、2人の子供たちも段々と賑やかになってきた…。

長男は幼稚園から小学校の進級も控えている。

奥さんと何度も話し合って…。
『アパート生活のままでいいのか?』
『家を建てて落ちつくべきなのか?』

自分も奥さんも、
『一軒家で育った身としてやっぱりアパートじゃ子供たちが可哀そうかな~』
と。

 

でも、現実は厳しい

『貯蓄がないのに家が建てられるのか?』
『建てた後に、ローン地獄で日々の生活を圧迫しないか?』
『老後にその一軒家を維持できるのか?』

そんなことを繰り返しながら、1度いわゆる大手建築会社の展示会へプレゼントも貰えるし、行ってみるか~と決まり、軽い気持ちで家族4人、いざ出発…。

結果、あくまでも個人の感想ですが、大量の資料とアンケートの嵐で「2回は無いな。」と強く感じました。

更にその後しばらく、自宅への営業とケータイへの問い合わせも多くて、本質であるそれぞれの会社によって違う良さとか売りがよくわかりませんでした。

何となく
「うちの会社はすごいでしょ~。ローン?全然大丈夫ですよ~」
と雛型のような言葉ばかりでウンザリ。

今日会ったばかりなのに、よく大丈夫なんて言いきれるなぁ?というのが率直な感想でした。

その後、はっきりした答えが決まらないまま、ずるずると月日が流れていきました

 

ある日、奥さんが実家に帰省していた時、たまたまトイレに飾ってあったカレンダーの、ある工務店の小さな広告に、奥さんが理想としている木のあたたかい家が載っていたのだそうです。

「パパ!こんな家がいい!」「ちょっとネットで調べてみて!」

カタカタカタ…ポチっ・・・・・・・・・・!?

「いいじゃん!いいじゃん!シャレオツじゃん(笑)」

「でしょ~!どんな家なのか見てみたいなぁ~。一回相談してみようよ」

みたいな感じで、すぐにその工務店さんへ連絡し、一回話を聞いてもらうことになりました。

 

~そしてここから私たちの家づくりの扉が開かれたのでした。

 

後日、富士市にあるトイレのカレンダーに載っていた建築会社を訪れました。

2人の子供たちは、女性の社員さんと遊んでもらいながら、社長さんとお話を伺いました。

(後日、その女性の社員さんは社長の奥さんと判明!いつもお世話になってます!)

「とにかく家を建てたい気持ちはあるんですが、資金の問題とか、土地の問題とか、とにかく何から考えていいのかよくわからないんです。」
と率直に社長さんに質問。
というか、何を聞いていいのかもよくわからない私。

すると社長さんは…

「みなさんはじめはそんな感じですよ。少しずついろんなことを知ってもらえればいいと思いますよ。いろいろな建築会社もありますから。」
「ところで、○○さん。“いい家”ってどんな家か考えたことありますか?」

「“いい家”ってなんだろ?耐震性がいい家?通気性がいい家?省エネの家?」
と、いわゆるCMで流れているような言葉を並べて答えた私。
でも社長さんから意外な言葉が出たんです。それは…

「これはあくまでも僕個人の考えなんですけど、“いい家”っていうのは“ママがいつも笑顔な家”だと思うんですよ」
「だって、無理して高いお家立てても、毎日の食費がカツカツだったり、電気代が高くて節電に気を張ったり、遊びに行きたい気持ちも抑えたり・・・」
「一番長く家にいるのはやっぱり“ママ”なんですよ、ママが家にいて楽しく、快適に、余裕をもった生活できなければ家を建てる意味がないんじゃないかって思うんです。」
「これはあくまでも僕個人の考えですけどね(笑)」

その時、私はハンマーで頭をガツーーーン!!!と叩かれるくらい、社長さんの言葉に衝撃を受けました。

同時に隣の奥さんの顔を覗き込むと、満面の笑みで首を縦に振って、すっかり社長さんのファンになっているのが分かりました。

私が思っていた“家づくり”は“建物を建てる”という考えでしたが、社長さんの考えは、
“家づくり” = “家族の居場所づくり”
だったんです。

 

こうして、私たちの家づくりは、少しづつ動き始めるのです…